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猛烈な強風・3月の白神岳

2018年 3月13日     単独行

 穏やかな天気を予想して、3月の白神岳を目指しましたが・・・・。
 
 午前5時30分、薄明かりの中を黒崎の登山口をめざす。上空に星は見えず、薄曇り。国道から見える白神岳山頂はくっきり。期待が高まる。国道から林道に入るが、雪がない。途中の工事現場入口を過ぎても雪がない。結局、駐車場まで入る。ラッキーである。まだ、駐車場には30cmほどの積雪があるが、1台分のスペースが踏み固められている。6時45分、気温5度、つぼ足で出発。記帳所でスノーシューを履く。登山道には数cmの雪。地面が出ているところもある。前日に登ったグループがいたようで、登山道にトレースが続く。4~5人?冬道コースの急登は積雪が20cmほど。1~2週間もすると、利用できなくなりそうだ。トレースに助けられながら、15分ほどで急登の上部へ。冷たい風が吹いているのが気にかかる。雪面は固く、ほとんどラッセルなしで楽チン。出発して2時間で蟶山着。向白神岳を目指すときのペース。ところがここから深い雪になり、ラッセルを強いられる。でも、深さは10cmほど。しだいに霧氷のブナに変化。気持ちのよいいつものブナ林の尾根歩き。ときどき冷たい地吹雪が襲うが、苦になるほどではない。前日の登山者のトレースはかき消されているが、山頂まで登ったらしい。霧氷のブナを写真におさめながら、大峰分岐の急登に入る。いよいよ右からの風が強くなり、地吹雪がバチバチと顔を打つ。ときどき立ち往生しながら、凍り付いた斜面を登る。アイゼンに履き替えようか迷いながら、結局スノーシューで登りきる。大峰分岐手前から、ますます風が吹き荒れる。ところが上空は青空、ガスがないため周囲の山々が見える。でも、目の前は地吹雪。何とも不思議な光景。10時40分、大峰分岐着。凄まじい地吹雪だが、合間から向白神が白く輝いて見える。そこだけが日が当たっている。立っているのがやっとだが、ここまできたら山頂まで行くしかない。幸い、稜線が見えるので迷うことはない。風に逆らいながら山頂を目指す。さらに風が強くなり、体が風下にもっていかれそうになる。風下は雪庇。ストックが風に飛ばされそう。最高地点から下りに入ると、風が弱くなるかと思いきや、まったく逆。山頂手前の鞍部が最悪。立っていられない。動けない。昔習った耐風姿勢をとるが、怖くてやってられない。両膝、頭、両肘を雪面に押し付けて風があたる面積を小さくする。頭を上げると吹き飛ばされそう。風が弱まることをじっと待つ。すごい恐怖。生きた心地がしない。すぐそこに山頂トイレが見えるのに動けない。何分ぐらいじっとしていただろうか、意を決して雪面にはいつくばってトイレを目指す。ほふく前進。やっとの思いで山頂トイレへ。恐怖で心臓がバクバクいっている。時計を見ると11時15分。分岐から35分しか経っていないが、長い長い。まずはパンとジュースで腹ごしらえ。無事帰れるか不安が募る。ゴーゴーという音とともに、地吹雪が吹き荒れる。数m先の避難小屋が地吹雪で隠れたり見えたり。トイレわきの鉄塔が小さく揺れている。15分ほどして、風が少し弱まる。悔いを残さないために山頂へ。向白神岳の稜線が白く輝いている。上空は青空。近くの山々が見える。岩木山は見えない。写真を撮って、またトイレに逃げ込む。風が最も強い鞍部さえ通過できれば下山できそうなので、11時45分、意を決して出発。幸い、鞍部は何とか歩ける程度の風。ヨタヨタ稜線を歩き、大峰分岐の急斜面を下ってブナ林に入り、時計を見たら12時25分。歯を食いしばったのか、顎が痛い。急斜面手前から引き返したらしいトレースが残っている。誰かが登ってきたらしい。途中でパンをほおばり、fbに投稿して穏やかなブナ林を下る。さっきまでの出来事が嘘のよう。13時10分蟶山通過。雪面が硬いので、スノーシューからつぼ足にする。蟶山からの急斜面は雪が腐って歩きにくい。尻滑りしながら下る。14時15分記帳所を通過し、14時30分駐車場着。無事帰れてよかった。
 昔、耐風姿勢の訓練を受けたときに、こういうのは北アルプスの話だと思っていましたが、それは間違いであることを痛感しました。今回、白神岳で風の恐ろしさを思い知らされました。謙虚な気持ちで、山に向き合わなくてはいけませんね。
 登り、蟶山まで2時間、山頂まで5時間、
下り、蟶山まで1時間25分、駐車場まで2時間45分、行動時間は7時間45分でした。




駐車場まで入る、ラッキー!
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蟶山手前からブナに霧氷
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蟶山は積雪70cmほど
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霧氷の向こうに岩崎
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気持ちのよいブナ林の登り
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ブナ林の中でも地吹雪
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美しいブナ林
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ブナの霧氷の向こうに大峰岳への稜線
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ブナ林のわきを行く
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白いブナのトンネル
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稜線への急登でも地吹雪
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振り返ると日本海
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山頂方面はよく見えるが・・・
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青空が広がる・・・
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大峰分岐は猛烈な地吹雪
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地吹雪の間から向白神岳
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山頂トイレから見えた地吹雪にさらされた避難小屋
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山頂での記念撮影をあきらめて標柱だけ
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一瞬風が弱まった時の山頂からのながめ
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この数秒後にはまた猛烈な地吹雪に
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あっぱれ‼︎ 随分と前だが八甲田では
樹氷撮影で自分の足元さえ見えない
ホワイトアウトの経験はあるのだが…

私事ではあるが 身辺の都合(親要介護施設入所とリンゴ畑整理)もあり
暫くは 撮影とおぼつかない登山は
お預けかなぁ…といったところです

プロフィール

ナリユキ

Author:ナリユキ
 秋田県能代市にあります浄土宗光久寺というお寺の住職をしております。山登りを趣味とし、機会を見つけて近場の山に登っております。白神岳をホームマウンテンとして、月に2~3回の山行を目標としており、白神岳には一年を通して毎月1回は登っています。山日記のホームページも開設しています。
年齢的にいつまで続くことやら。

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